「施設に入りたいんですが、どこがいいですか?」
この相談、本当によくあります。
でも実は、
「施設」とひとことで言っても、中身はまったく同じではありません。
世の中には、
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護医療院
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- グループホーム
- ケアハウス
など、たくさんの種類があります。
一般の方から見ると、どれも「施設」です。
でも、介護保険の制度上、“施設サービス”と呼ばれるものは3つだけです。
それが、
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
この記事ではまず、「施設」と呼ばれている入居施設の全体像を整理しながら、介護保険の「施設サービス(特養・老健・介護医療院)」と、その他の入居系施設との違いを分かりやすく整理します。
それぞれの施設の特徴や役割については、別の記事でくわしく解説していきます。
「どこも同じに見える」状態から、一段ずつ整理していきましょう。
施設とは?
「施設」と聞くと、どんなイメージがありますか?
- 家では暮らせなくなったら入るところ
- 24時間介護してくれるところ
- 高齢者が集まって暮らしているところ
なんとなく、そんな印象を持つ方が多いと思います。
実際、入居して生活するという点では、どれも似ています。
どこも“住む場所”。
どこも“介護を受けられる場所”。
だからこそ、「何が違うの?」と混乱してしまいます。
実は、制度上は大きく分かれている
ここが重要なポイントです。
これらの施設は、制度上は大きく2つに分かれます。
- 介護保険の「施設サービス」
- その他の入居系サービス
見た目は似ていても、制度の位置づけがまったく違うのです。
まずはこの分類ができるようになることが、理解の第一歩です。
介護保険の「施設サービス」は3つだけ
介護保険の制度上「施設サービス」と位置づけられているのは、次の3つです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
世の中では全部まとめて「施設」と呼ばれていますが、介護保険の中で“施設サービス”と呼ばれるのは、この3つだけなのです。
① 特別養護老人ホーム(正式名称:介護老人福祉施設)
一般的には「特養」と呼ばれますが、介護保険制度上の正式名称は「介護老人福祉施設」です。
長期入所を前提とした施設で、原則として要介護3以上が対象です。
在宅生活が難しくなった方が、生活の場として入所する施設です。
② 介護老人保健施設(老健)
老健は、自宅へ戻ることを目標にする施設です。
原則要介護1以上が対象で、リハビリを中心に在宅復帰を目指します。
長期入所を前提とする施設ではありません。
③ 介護医療院
医療と介護の両方が必要な方向けの施設です。
医療的ケアが必要で、長期療養が必要な方が対象になります。
この3つが“特別”と言われる理由
特養・老健・介護医療院は、ただの入居施設ではありません。
制度上、特別な扱いになっています。
たとえば、
- 食費や居住費の軽減制度(負担限度額認定)が使える
- おむつ代は基本的に施設負担
- 介護費は「1日いくら」と要介護度ごとに定額
という仕組みになっています。
介助の回数ごとに料金が増えるわけではありません。
負担限度額認定とは?
「負担限度額認定」とは、所得や預貯金が一定以下の場合に、
- 食費
- 居住費(部屋代)
が軽減される制度のことです。
特養・老健・介護医療院などの「施設サービス」では、この制度を利用できる場合があります。
たとえば、本来よりも食費や居住費が安くなることがあり、長期入所を考えるうえで大きな差になります。
ただし、
- ✔ 申請が必要
- ✔ 所得や資産の要件がある
などの条件があります。
(※詳しい仕組みについては、別記事で解説します)
それ以外の入居系サービスとは?
有料老人ホームやサ高住などは、介護保険の「施設サービス」には含まれません。
料金は、
- 家賃
- 管理費
- 食費
- 介護サービス費
などがそれぞれ別に設定されています。
介護サービスは外部のサービスを利用する形になることも多く、使った分だけ費用が増える場合があります。
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グループホームはどうなの?
ここで混乱しやすいのが、グループホームです。
グループホームは、介護保険の「地域密着型サービス」に位置づけられています。
特養・老健・介護医療院のような「施設サービス」ではありません。
また、地域密着型サービスのため、
原則として、その施設がある市町村に住民票がある方しか利用できません。
他の市町村に住んでいる場合は、基本的には入居できない仕組みになっています。
ただし、
- 介護費は要介護度ごとの定額制
- 毎月の介護費が大きく変動するわけではない
という点では、施設サービスと似た仕組みです。
しかし、
- おむつ代は利用者負担
- 食費や居住費は施設ごとに設定
などの違いがあります。
つまり、グループホームは、
“施設サービスでもない”
“有料老人ホームとも少し違う”
地域密着型の入居サービスという位置づけです。
特定施設入居者生活介護とは?
いわゆる“介護付き有料老人ホーム”のことです。
- 介護費は定額制
- 施設内職員が介護を提供
という仕組みですが、
- 「施設サービス」ではない
- 負担限度額認定は使えない
- おむつ代は利用者負担
という違いがあります。
ここが混乱しやすいポイント
入居して暮らすという点は同じです。
しかし、
- ✔ 介護費が定額か
- ✔ 利用分ごとか
- ✔ 軽減制度が使えるか
この違いは、長期的な費用に大きく影響します。
まとめ
「施設」と呼ばれる入居先はたくさんあります。
しかし、介護保険の制度上「施設サービス」と位置づけられているのは、
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
この3つだけです。
見た目が似ていても、制度の仕組みはまったく違います。
「施設に入る」という一言では片づけられないのが、介護保険の世界です。
まずは、
- ✔ 介護保険の施設サービスなのか
- ✔ それ以外の入居系サービスなのか
この違いを知ることが、失敗しない施設選びの第一歩になります。
それぞれの特徴や違いは、今後の記事で詳しく解説していきます。


