介護の仕事を始めて1年半ほどたったころ、新しく開設するグループホームで働くことになりました。
開所までの1カ月は、他の職員と一緒にホームの物品の用意をしたり、新しく入居される利用者さんの情報を確認したり。
そして1カ月後、ついにオープンの日を迎えました。
オープンから1カ月かけて、ぞくぞくと9名の入居者さんが入居してこられました。
ご家族の思いも、本当にさまざまでした。
「本人が自宅からどうしても出られなくて、何年振りかに外へ出ました」
「何年も入浴ができてないんです…どうかお風呂に入れてもらえたら…」
「こんなの親と思ってません。どうにでもなったらいいんです」
「すごく私に依存するんです。しんどくて限界なんですけど、心配で心配で…」
いろんな思いを抱えたご家族がおられるんやな、と感じました。
そして、ご本人たちはというと…
「いつになったら帰れるの!?娘に電話してちょうだい!!」
と怒っておられる方もいれば、
「えっ?私3日前にきたの?うそぉ。もう何年も前からここにいるわよ~笑」
と、最初からすっとなじまれる方もおられました。
慣れない場所、慣れない人の中で、それぞれの“はちゃめちゃな共同生活”が始まりました。
それでも、みんなで料理をしたり、掃除をしたり、時には喫茶店に出かけたり。
同じ時間を過ごしていく中で、少しずつ“なじみの関係”ができていきました。
役割が生まれ、それが生きがいになり、気づけば、笑顔あふれる日常に変わっていきました。
そうすると、ご本人たちの変化を見て、ご家族にも変化が生まれていきました。
心配されていたご家族は、
「安心しました…ここにお世話になってよかった」と話され、
「あんなの親じゃない」と言っていたご家族も、次第に会いに来られる回数が増え、一緒に過ごす時間を持たれるようになりました。
認知症の方にとっても、ご家族にとっても、グループホームは「安心できる場所」なのかもしれません。
もちろん、いいことばかりではありません。
それでも、こうした日々の中で感じたことを、これからも少しずつお伝えしていけたらと思います。


