地域包括や居宅でケアマネをしていたころ、本当にいろんな相談がありました。
その中でも多かったのが、
「本人が介護保険を使いたがらない」
というご家族からの相談です。
「デイサービスに行ってほしい」
「転倒が多いから、歩行器や手すりを使ってほしい」
でもご本人は、
「介護保険なんか嫌だ!」
どうしたらいいでしょうか…と。
介護保険って、
申請して
認定を受けて
ケアマネがついて
やっと使えるようになります。
健康保険みたいに、病院でサッと使えるわけではありません。
正直、
「手間かかるし、大がかりに感じるよなあ…」
と思うこともあります。
ケアマネの立場からすると、申請も認定調査も日常業務なので慣れていますが、ご本人やご家族からすると、
「こんなにいろいろせな使われへんのんか…」
と感じて当然だと思います。
しかも、申請してから認定が出るまで1カ月以上かかることもあります。
その間に、
「やっぱりやめとくわ」
となることもあります。
そう考えると、病院に行くよりハードルが高い
そう感じても仕方ないのかもしれません。
でもご家族からすると、介護は24時間365日
終わりがありません。
家族だからこそ距離が近すぎて、うまくいかないこともあります。
それでもご本人は、
「介護保険なんて使わない!」
「私はまだ大丈夫!」
明らかに介護が必要な状態でも、です。
そこにはきっと、
「人の世話になりたくない」
「まだそんな段階じゃない」
という気持ちがあるのだと思います。
ここで、
「できてないでしょ!」
なんて言ってしまうと、プライドが傷ついて、余計にかたくなになります。
逆に、
「じゃあ使わんとこか」
となると、ご家族の負担は増え続けます。
じゃあどうしたらいいのか?
そういうお家では、私が訪問して名刺を出した瞬間から
家族会議、スタートです。
使う・使わないで押し問答。
正直、これでは終わりません。
でも、ケアマネは“よその人”だからこそ言えることがあります。
「介護保険、使いたくないんですね」
少し間を置いてから、
「でも…保険料は払ってますよね?」
「使わないともったいなくないですか?」
そう伝えると、
「あ、たしかに…」
と、空気が少し変わります。
ここで同業の方から
「そんなんでうまくいくか!」
「そんな一筋縄ではいかんわ」
という声が聞こえてきそうですが(笑)
もちろん、これだけでうまくいくわけではありません。
その前に、
しっかりお話を聞いて
気持ちに寄り添って
関係性や空気感をつくる
という積み重ねがあってこそです。
そのうえで、最後の一言として
「保険料払ってますよね?」
が効いてくる、というイメージです。
そこから、
「じゃあ申請だけでもしてみますか?」
「申請は無料なので」
この「無料」という一言、かなり強いです。
(役所の方すみません)
ここまで来たら、申請〜認定まではクリアです。
ただし、本番はここから。
「デイサービスなんか行かない」
「歩行器なんていらない」
第2ラウンドが始まります。
このあたりは、また別の記事でまとめたいと思います。
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