施設って、お金が高いイメージありませんか?
「いくらぐらいかかるんやろ…」
「めっちゃ高いって聞くけど大丈夫なんかな…」
そんなふうに感じている方は多いと思います。
実際に施設に入ると、毎月の費用の明細が届きますが、それまでは
「何にいくらかかっているのか」
内訳まで知る機会はほとんどありません。
特別養護老人ホームだけでなく、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、いわゆる「施設」と呼ばれる場所でも同じように費用はかかります。
そして実際に利用が始まると、
「こんなにかかるんですね…」
とご家族が驚かれる場面も少なくありません。
でも、現場にいた頃、私はあることを感じていました。
制度を使えば、負担が大きく変わる人がいる
それなのに、
その制度が十分に知られていないこともある
私はこれまで、特養だけでなく、サ高住やケアハウス、グループホームなど、いろいろな現場に関わってきましたが、どの場所でも「お金の不安」はとても大きいものです。
だからこそ今回は、
施設の費用はどれくらいかかるのか
そして負担を軽くする制度のリアル
について、実体験をもとにお話しします。
施設の費用は「高い」と感じやすい
施設に入ると、介護サービス費・食費・居住費といった費用がかかります。
ただ、この「施設に払うお金」は、施設の種類によって中身が少しずつ違います。
私がケアマネとしてサ高住の利用者さんを担当していたときのことです。
料金表を見て、
「えええ???これ、1回ごとにお金かかるん?」
と、正直びっくりしたことがあります。
洗濯や入浴など、特養では「込み」になっていたものが、サ高住では「1回ごとに費用がかかる」という形だったからです。
もちろん無料ではないのは当然なのですが、
「施設の違いで、ここまで費用の考え方が変わるのか」
と感じたのを覚えています。
そのため、
「思っていたより高い」
「聞いていたより増えていく」
と感じる方も少なくありません。
施設の費用は、単純な金額だけでなく、
「何が含まれているか」で見方が変わる
というのも、ひとつのポイントです。
ぶっちゃけ施設の費用はどれくらいかかる?
施設の費用は、施設の種類や地域によって変わりますが、目安としてイメージを持っておくことは大切です。
先ほどお話ししたように、施設によっては洗濯や入浴などが「別料金」になることもありますが、
まずは基本となる費用の目安を見てみましょう。
たとえば、私が働いていたユニット型特養では、次のような費用がかかっていました。
・介護サービス費(要介護度・地域によって変動あり)
1日あたり 約800円〜1000円(1割負担)
・居住費
1日あたり 約2900円
・食費
1日あたり 約1500円
これを30日で計算すると、
ひと月あたり 約15万6000円〜16万2000円ほどになります。
ここに含まれている内容や、別途かかる費用は施設ごとに異なるため、「思っていたより高い」と感じる方が多いのも、無理はないと思います。
実は、負担を軽くする制度がある
施設の費用は高く感じやすいですが、
実は負担を軽くする制度も用意されています。
たとえば、
高額介護サービス費
負担限度額認定
などです。(それぞれの詳しい内容は、別の記事でまとめています)
👉高額介護サービス費ってなに?負担の上限と戻るしくみをやさしく解説
👉介護施設の費用を安くする方法|負担限度額認定をやさしく解説
まず、介護サービス費の自己負担については、高額介護サービス費によって収入に応じた上限が決まります。
つまり、使った分すべてを払うのではなく、一定額を超えた分は戻ってくる仕組みです。
そして次に、特別養護老人ホームなどの「施設サービス」の場合は、負担限度額認定によって食費や居住費が軽減されることがあります。
私がケアマネをしていた頃も、「施設に入れたいけど、お金がきびしいんです…」というご家族の相談はとても多くありました。
でも、制度の案内をして申請してみると、「認定されました!!」とホッとされるケースも少なくありませんでした。
中には、役所に相談して世帯分離をしたことで認定された方や、生活保護を利用しながら、介護サービス費の負担はなく、食費や居住費を生活保護費でまかなって生活されている方もおられました。
つまり、制度を知っているかどうかで、実際の負担が大きく変わることもあるというのが、現場で感じていたことです。
知らないと使えない制度もある
ここまで見てきたように、介護費用を軽くする制度はいくつか用意されています。
ただ実際には、「その制度、知らなかったです」という声を聞くことも少なくありません。
私が現場にいた頃も、すべてのケースで制度が丁寧に案内されているわけではないと感じる場面がありました。
施設から必ず説明があるとは限りませんし、居宅のケアマネジャーであっても、すべての制度を把握しきれていないこともあります。
また、料金表の中に「認定された場合の金額」が書かれていても、「これ、どういうこと?」とそのままになっているというケースもあります。
そして大事なのは、申請しないと制度は使えないという点です。
基本的には、本人やご家族が申請することで初めて使える仕組みになっています。
だからこそ、制度はあっても、知らないまま使っていないということも起こります。
少し正直な話をすると、介護の制度は「知っているかどうか」で差が出やすい、そんな一面もあると感じています。
私自身は、使える制度はしっかり案内したいと思って関わってきましたが、すべての方に同じように情報が届いているとは限らないのが現実です。
だからこそ、「こんな制度があるんや」と知っておくこと、それだけでも選択肢は大きく変わると思います。
だからこそ知っておいてほしい制度
施設の費用は、高いと感じやすいものです。
でも実際には、制度を使うことで負担が軽くなるケースもあります。
今回お伝えしたように、
高額介護サービス費
負担限度額認定
などを組み合わせることで、実際の支払い額が大きく変わることもあります。
ただし、これらの制度は自動で適用されるものではありません。
申請が必要だったり、条件に当てはまるかどうかを確認する必要があります。
そして何より、知らなければ使うことができません。
介護の費用は、「言われた通りに払うもの」ではなく、「知っているかどうかで変わるもの」でもあります。
不安に感じたときは、ケアマネジャーや市役所に相談してみること
「使える制度はありますか?」と聞いてみること
それだけでも状況が変わることがあります。
これから介護を考える方も、すでに関わっている方も、必要なときにきちんと制度を使えるように、少しでもそのきっかけになればうれしいです。
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