第1話では、
介護保険のしくみを大きく見てきました。
第2話では、
実際に利用するまでの流れを、
順番にたどりました。
そして第3話は――
**いよいよ“サービスの中身”**について。
どんな種類があるの?
自宅で受けられる支援って?
施設に入るとどうなるの?
言葉は聞いたことがあっても、
具体的に思い浮かばない人は
きっと多いと思います。
介護サービスは、
「できなくなったことを助ける」だけではなく、
その人らしい暮らしを守るための支えでもあります。
この記事では、
介護保険で利用できるサービスの種類を、
はじめての方にも分かるように、
やさしく整理していきます。
まずは一緒に、
どんな選択肢があるのかを
のぞいてみましょう。
介護サービスにはどんな種類があるの?
介護保険のサービスと聞くと、
なんとなく「施設に入るもの」という
イメージを持つ方も多いかもしれません。
でも実際には、
自宅で生活を続けながら利用できる支援から、
施設で生活を支えてもらう形まで、
さまざまな選択肢があります。
大きく分けると、
介護サービスは次の3つの種類に整理できます。
- 自宅で受けるサービス(訪問介護・訪問看護など)
- 通って利用するサービス(デイサービス・デイケアなど)
- 施設で生活するサービス(特別養護老人ホームなど)
その人の体の状態や生活環境、
そして「どんな暮らしを続けたいか」によって、
必要な支援の形は変わります。
だからこそ介護保険では、
一つのサービスだけでなく、
いくつかを組み合わせて使うこともできます。
「できるだけ家で暮らしたい」
「家族の負担を少しでも軽くしたい」
「安心できる場所で生活したい」
――そんな思いに合わせて、
支え方を選べるのが
介護保険の大きな特徴なんですね。
ここからは、
それぞれのサービスの内容を、
もう少し具体的に見ていきましょう。
自宅で受けられるサービス
「できることなら、住み慣れた家で暮らし続けたい」
そう願う方は、とても多いです。
介護保険には、
自宅での生活を支えるためのサービスが
いくつも用意されています。
たとえば――
訪問介護(ホームヘルプ)
ヘルパーさんが自宅を訪問し、
日常生活のサポートをしてくれるサービスです。
- 食事や入浴、排せつの介助
- 掃除や洗濯、買い物などの生活援助
など、
「ひとりでは大変になってきた部分」を
そっと手助けしてくれます。
訪問看護
看護師さんなどの医療職が自宅に来て、
医療的なケアや健康管理を行います。
- 体調のチェック
- お薬の管理
- 点滴や処置、床ずれのケア など
通院がむずかしい方の支えになるだけでなく、
病気の管理やリハビリ目的で利用されることも多く、
要支援の段階から使えるサービスです。
「寝たきりの人だけが受けるもの」
と思われがちですが、
在宅で安心して暮らし続けるための
幅広い支えになっています。
訪問リハビリ
理学療法士や作業療法士などが訪問し、
自宅の環境に合わせたリハビリを行います。
- 歩く練習
- 立ち上がりや動作の訓練
- 転倒を防ぐ体づくり
「できることを少しでも長く続ける」
その力を支えてくれる大切なサービスです。
福祉用具レンタル・住宅改修
生活を安全に続けるために、
道具や住まいを整える支援もあります。
- 手すりの設置
- 段差の解消
- 介護ベッドや車いすのレンタル など
体の負担や転倒のリスクを減らし、
安心して暮らせる環境をつくります。
自宅で受けられるサービスは、
「今の暮らしをできるだけ守るため」の支援です。
すべてを誰かに任せるのではなく、
できる部分は自分で続けながら、
必要なところだけ支えてもらう。
そんな形を選べるのも、
介護保険の大きな魅力なんですね。
自宅での生活を支えるサービスには、
ここで紹介したもの以外にも、
ケアマネジャーによる支援や、
医師・薬剤師が関わるサービスなど、
さまざまな種類があります。
それぞれについては、
また別の記事で
くわしく紹介していきますね。
通って利用するサービス
自宅での生活を続けながら、
日中だけ施設に通って支援を受けるサービスもあります。
代表的なのが、
デイサービスやデイケアと呼ばれる通所サービスです。
デイサービス(通所介護)
食事や入浴、レクリエーションなどを通して、
心身の状態を保ちながら
安心して1日を過ごせる場所です。
- 入浴や食事のサポート
- 体操やレクリエーション
- 他の利用者さんとの交流
家にこもりがちになることを防ぎ、
生活にリズムや楽しみを生み出します。
また、
日中を施設で過ごすことで、
家族の介護負担を軽くする役割もあります。
デイケア(通所リハビリテーション)
こちらは、
リハビリを中心とした通所サービスです。
理学療法士や作業療法士などの専門職が関わり、
体の機能を維持・回復するための支援を行います。
- 歩行訓練や筋力トレーニング
- 日常動作の練習
- 自宅生活を続けるための機能訓練
「できることを少しでも長く続けたい」
そんな思いを支える大切なサービスです。
“通う場所”があることの安心
通所サービスは、
介護を受ける本人だけでなく、
家族にとっての支えにもなります。
- 外出のきっかけになる
- 人とのつながりができる
- 介護をひと休みできる時間が生まれる
こうした時間があることで、
在宅での生活を長く続けられることも少なくありません。
施設で生活するサービス
自宅での生活がむずかしくなった場合、
施設で生活しながら介護を受ける
という選択肢もあります。
体の状態や生活状況に合わせて、
いくつかの種類の施設が用意されています。
長期間生活する施設(特別養護老人ホームなど)
日常生活全体に介護が必要な方が、
生活の場として長く暮らす施設です。
食事・入浴・排せつなどの介助を受けながら、
安心して生活を続けることができます。
リハビリを目的とした施設(介護老人保健施設など)
病院を退院したあと、
自宅に戻ることを目指して
一定期間リハビリを行う施設です。
在宅復帰に向けた支援が中心になります。
短期間だけ利用する方法(ショートステイ)
数日から数週間ほど、
一時的に施設で生活できるサービスです。
- 家族の体調不良や用事があるとき
- 介護の負担を少し休みたいとき
- 在宅生活を続けるための調整期間
など、
さまざまな場面で利用されています。
ショートステイは、
在宅生活を支える大切な“休息の仕組み”
ともいえる存在です。
その他の入居サービス
施設で生活するサービスには、
ここで紹介したもの以外にも、
- 認知症の方が少人数で暮らすグループホーム
- 医療的ケアを受けながら生活できる介護医療院
- 生活支援や介護を受けられる特定施設入居者生活介護
など、さまざまな種類があります。
それぞれ役割や対象となる方が異なるため、
これらの施設については、
また別の記事で分かりやすく紹介していきますね。
まとめ|その人に合った支え方を選べる
介護保険のサービスには、
自宅で受けられる支援から、
通って利用するサービス、
そして施設で生活する方法まで、
さまざまな形があります。
大切なのは、
「どのサービスが正しいか」ではなく、
その人に合った支え方を見つけることです。
できるだけ自宅で暮らしたい。
安心できる場所で生活したい。
家族の負担を少しでも軽くしたい。
――そんな思いに寄り添いながら、
支援の形を一緒に考えていけるのが、
介護保険という制度です。
そして、
サービスの選び方や組み合わせ方には、
ケアマネジャーの存在が大きく関わってきます。
次回は、
介護保険を利用するうえで欠かせない
ケアマネジャーの役割について、
やさしく解説していきます。


