施設入居の心得|入ったあとに後悔しないために知っておきたい関わり方

「「施設に入れば安心」
「すべて任せられる」

そう思っている方も多いのではないでしょうか。

実際に、入居前は不安や心配を抱えていても、いざ入居すると「これで安心」と感じる方も少なくありません。

ですが、施設に入ったあとも、家族の関わり方はとても大切です。

施設は、すべてを代わりにしてくれる場所ではなく、本人・家族・施設が一緒に支えていく場所でもあります。

そのため、関わり方によっては、うまくいくケースもあれば、すれ違いが生まれてしまうこともあります。

この記事では、施設入居後に知っておきたい考え方や心得について、これからの関わり方のヒントになるよう、やさしくお伝えしていきます。

入居しても関係は終わらない

施設に入ることで、直接介護をする機会は減っていきます。

これまで、家族が中心となって支えてきた生活も、場所が変わり、関わり方も変わっていきます。

でも、家族との関係が終わるわけではありません。

むしろ、施設と一緒に支えていく関係に変わっていくと考えることが大切です。

施設の職員は、日々の生活やケアを支える専門職ですが、これまでの生活やその人らしさを一番よく知っているのは、やはり家族です。

たとえば、

・これまでどんな生活をしてきたのか
・どんなことが好きで、どんなことが苦手なのか
・どんなことにこだわりがあるのか

こういった情報は、施設での生活をよりよくするための大切なヒントになります。

また、

・本や趣味のものを差し入れる
・一時的に自宅に帰って一緒に過ごす

といった関わりも、生活の楽しみや安心感につながる大切な時間になります。

さらに、

・通院の付き添い
・入退院の手続き

など、家族でなければ対応できない場面もあります。

施設に任せる部分と、家族が関わる部分。
その両方があってこそ、生活は成り立っています。

「よりよく生活するためには、家族の協力も欠かせない」

そんな視点を持っておくことが大切です。

すべてをしてもらえるわけではない

施設に入ると、「すべてやってもらえる」と思われることもあります。

ですが実際には、できることまで奪ってしまうことは、その人のためにならないと考えられています。

介護保険の考え方のひとつに、「自立支援」というものがあります。

これは、できることは本人に任せ、その人らしい生活を続けていくという考え方です。

そのため、

・自分でできることは自分で行う
・できない部分を支援する

という関わりが基本になります。

生活の主体はあくまでも本人です。

ただ、この関わり方は、時に「何もしてもらえない」と感じられてしまうこともあります。

実際には見守りや声かけなど、さまざまな支援が行われていても、本人の感じ方によっては「放っておかれている」と受け取られてしまうこともあります。

「見守る」と「放置」は紙一重であり、安心して取り組める関わりがあってこそ、自立支援は成り立ちます。

だからこそ、施設側も関わり方を工夫しながら支援を行っています。

そして、家族の理解もとても大切です。

「やってもらえない」のではなく、「できる力を大切にしている」関わりであること。

その視点を持つことで、施設での生活の見え方も変わってくるかもしれません。

施設での暮らしにはルールがある

施設での生活には、安全に過ごすためのルールがあります。

「厳しすぎる」と感じることもあるかもしれませんが、すべてには理由があります。

施設は一人で暮らす場所ではなく、多くの高齢者が一緒に生活する“共同生活の場”です。

そのため、ひとつの行動が周りの方にも影響することがあります。

食べ物の差し入れについて

差し入れは楽しみのひとつですが、安全面には十分な配慮が必要です。

・生ものや手作りの食品 → 食中毒のリスク
・もちやあめ → 窒息のリスク

また、持病によって食事制限や水分制限がある方もいます。

良かれと思った行動が、体調悪化につながることもあります。

さらに、見守りが必要な方も多くいますが、施設では常に個別対応が難しい場合もあります。

そのため、「持ち込み」や「保管方法」にルールが設けられています。

お金の管理について

お金の管理についても、トラブル防止のためのルールがあります。

・紛失
・勘違いによるトラブル

安心して生活するための仕組みのひとつです。


面会について

面会はとても大切な時間ですが、感染症対策などの理由で制限が設けられることがあります。

・時間制限
・人数制限
・予約制
・マスク着用

入居者の健康を守るためのルールです。

特に高齢者にとって感染症は命に関わるリスクがあります。

大切な考え方

これらのルールは、
「制限するため」ではなく「守るため」のものです。

みんなが安心して暮らすためのルールであることを理解することが大切です。

事故(転倒など)について

施設での生活の中で、転倒などの事故を完全に防ぐことは難しいのが現実です。

「絶対に転ばせないでほしい」
そう思う気持ちは当然です。

ですが、

・身体機能の低下
・認知症による行動

などにより、動きを完全に制限することはできません。

施設では、

・声かけ
・見守り
・環境調整
・福祉用具の活用

など、さまざまな工夫を行っています。

それでも、

リスクをゼロにすることはできません。

もし完全に防ごうとすると、

・動きを制限する
・拘束する

といった関わりが必要になります。

しかしそれは、身体拘束につながる行為となり認められていません。

「安全」と「その人らしい生活」
このバランスがとても大切です。

👉高齢者虐待とは?知らずにやってしまう関わりと防ぐためにできること

希望や不安は伝えていい

施設での生活について、

「こうしてほしい」
「これが気になる」

そう感じるのは自然なことです。

大切な家族だからこそ、気になるのは当たり前です。

だからこそ、希望や不安は遠慮せずに伝えて大丈夫です。

ただし、すべてが叶うわけではありません。

・人員体制
・安全面
・他の入居者とのバランス

こうした理由もあります。

「伝えること」と「任せること」のバランスが大切です。

一緒に考える姿勢が、良い関係につながります。

ある程度任せることも大切

「大丈夫かな」
「ちゃんと過ごせてるかな」

そう思うのは自然なことです。

ですが、関わりすぎることで、自立の機会を減らしてしまうこともあります。

施設では、できる力を大切にしながら支援しています。

任せることも、支え方のひとつです。

離れること=放置ではありません。

見守りながら任せることが、より良い関係につながります。

一生そこにいるとは限らない

施設は、必ずしも一生過ごす場所とは限りません。

・医療対応の変化
・費用の問題
・要介護度の変化

さまざまな理由で環境が変わることがあります。

また、生活してみて合わない場合もあります。

施設は「ゴール」ではなく、生活の選択肢のひとつです。

柔軟に考えることが大切です。

うまくいく家族の特徴

施設生活がうまくいくご家族には共通点があります。

・本人を尊重している
・職員と信頼関係がある
・伝える+任せるバランスが良い

遠すぎず、近すぎない関係性

これがとても大切です。

家族と施設が同じ方向を向くことが、安心につながります。

まとめ

施設入居は、任せきりでもなく、抱え込みでもありません。

関わり方が変わるだけです。

・任せること
・関わること

そのバランスが大切です。

介護は一人でやるものでも、丸投げするものでもありません。

一緒に支えていくものです。

無理をせず、より良い関わり方を見つけていくことが、安心できる生活につながります。

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