実費でもサービスを続けた理由と、あとからお金が返ってきた話

居宅のケアマネをしていた頃の話です。

要介護3の利用者さんを担当していました。

週3日のデイケアと、介護用ベッドを利用しながら、ご家族と一緒に自宅で生活されていました。

しかし、認知症が進行し、ご家族が留守のあいだ、一人で過ごすことが難しくなってきました。

ご家族はとても心配され、

「留守の日はデイケアで過ごしてほしい」

と、週6日の利用を希望されました。

ただ、ここで問題がありました。

要介護3では、介護保険の単位数を超えてしまうということです。

つまり、一部が実費(10割負担)になってしまう状況でした。

介護度の見直しも検討しましたが、状態的に要介護4に上がるとは考えにくく、ご家族は悩まれた末に、

「実費がかかっても、お互いに安心して過ごせるなら」

と、サービスの継続を選ばれました。

それからしばらくして、ご自宅を訪問したときのことです。

ご家族が、

「実費で払った分が返ってきました。ありがたいです」

と、書類を見せてくださいました。

それが、高額介護サービス費の支給決定通知でした。

お住まいの市役所から書類が届き、申請を行ったことで、支払った分の一部が返ってきたとのことでした。

私が担当していた地域は複数あり、

・書類を自動で送ってくれる市町村
・自分から申請しないと何も案内がない市町村

など、対応はさまざまでした。

ここで、ひとつお伝えしたいことがあります。

ケアマネは、利用者さんの収入や資産をすべて把握しているわけではありません。

もちろん、制度の案内や提案はできますが、「対象になるかどうか」までは、その場で判断できないことがほとんどです。

高額介護サービス費や、負担限度額認定などの制度は、実際に役所で確認してみないとわからないことが多いのが現実です。

だからこそ思うのは、制度は「知っているかどうか」で大きく変わるということです。

「ケアマネさんがいるから大丈夫」
「相談したから安心」

もちろんそれも大切ですが、丸投げにするのではなく、自分でも少し知っておくこと。

これが、あとからの負担を大きく左右します。

あのときのご家族のように、

「知らなかったら損をしていたかもしれない」

そんな場面は、実際にたくさんあります。

少しでも参考になればうれしいです。

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