「行きたくない」から始まったデイサービス。90代女性の変化の話

介護エッセイ

地域包括支援センターでケアマネをしていた頃、一人暮らしの90代女性、Aさんを担当していました。

Aさんは要支援2の認定がありましたが、利用していたサービスは、歩行器のレンタルのみ。

それ以外は、自宅で自由に生活されていました。


ある日、かかりつけ医の受付の方から連絡がありました。

「向かいの家の人が、Aさんの家の雨戸が開いていないと言っているんです」

気になって自宅を訪問すると、インターホンにゆっくりとAさんが出てこられました。

「どうしたんですか?」

そう聞くと、

「腰が痛くて、ずっと寝てたんや」

と話されました。

体調もあまりよくなさそうでしたが、

「大丈夫や。娘も明日来てくれるし」

そう言われたため、その日は様子を見ることにしました。

翌日、Aさんの娘さんから電話がありました。

「母にデイサービスに行ってほしいんです」


ご自宅に伺い、お話を聞くと、

Aさんは「行きたくない」と言い、
娘さんは、

「なんもせんと一人で家にこもってるから、腰痛くなるんや。運動せなあかん!」

と、少し厳しめの様子でした。

最終的にAさんは折れて、週1回、機能訓練型デイサービスに通うことになりました。


最初は乗り気ではなかったAさん。

ですが後日、デイサービスの職員さんから連絡がありました。

「休まず来られていますよ。
マシンを使った運動も熱心に取り組まれています。
周りの方とも仲良くされていますね」


その後、自宅を訪問してAさんに感想を聞いてみると、

「めっちゃええで!」

と、笑顔で話されました。

「マシンもええけどな、レッドコード。
あれが気持ちええわ」

そう言いながら、

「こうやってな、体をねじって…次はこうしてな…」

と、その場でレクチャーが始まり、気づけば一緒にストレッチをしていました。

腰の痛みもなくなり、自宅でも軽やかに動けるようになったとのことでした。


最初は嫌がっていたAさん。

でも、通い始めてみると、
体も気持ちも、少しずつ変わっていきました。

スパルタな娘さんのおかげで、Aさんの生活がよりよいものになったことを、今でもよく覚えています。

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