訪問診療だけでは支えきれない不安に、寄り添えた理由

介護エッセイ

地域包括支援センターでケアマネジャーをしていた頃、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された方を担当することがありました。

ALSは、全身の筋肉が次第に動かなくなり、萎縮していく進行性の病気です。
原因は完全には解明されておらず、根本的な治療法もまだ確立されていません。

その利用者さんは、まだ50代で、お仕事も続けておられました。
しかし、病気の進行は早く、身体を動かすことや呼吸がしんどそうな場面が増えていきました。

今後どうなっていくのか。
生活はどのようにすればいいのか。

ご本人も奥様も、大きな不安を抱えておられました。

ALSの定期的な診察は、総合病院の脳神経内科で受けておられましたが、訪問診療による居宅療養管理指導を開始されました。

すると、総合病院の診察だけでは難しかった、日々の生活に関する細かな相談ができるようになりました。

「この症状はどう考えたらいいのか」
「今の生活で気をつけることは何か」

そういった不安をその場で相談し、アドバイスを受けることで、気持ちの面でも生活の面でも、少しずつ安定していきました。

その後、要支援から要介護へと認定が変わり、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに引き継ぐことになりました。

そのとき、ご本人がこうおっしゃっていたのが印象に残っています。

「今後も訪問診療のときに先生に相談したり、いろんなサービスにお世話になりながら、いけるところまであがいてみます!」

訪問診療と居宅療養管理指導は、診察だけではカバーしきれない“日々の不安”に寄り添うサービスです。

それがあることで、これからの生活に向き合う力を支えてくれると感じた出来事でした。

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