居宅ケアマネをしていた頃の話です。
老健に入所されていた方が退所することになり、担当させていただくことになりました。
その方は、1年ほど老健で生活されていました。
ただ、あるとき、施設の体制の変化もあり、退所の話が進むことになりました。
ご家族にとっては急な話で、
「これからどうしたらいいのか」
と戸惑われていたのを覚えています。
他の施設を探しましたが、すぐに入れるところは見つからず、ひとまず以前利用されていたショートステイを長期で利用する形になりました。
老健へ面談に伺い、ご本人とお会いしました。
認知症はありましたが、「ここを出ること」は、なんとなく理解されている様子でした。
そして、老健を退所し、ショートステイへ。
久しぶりに再会した職員さんが、ご本人の様子を見て、こう言われました。
「全然変わっておられませんね。
リハビリも頑張っておられたのかな」
車いすを自走され、以前と変わらない様子で過ごされている姿を見て、老健での生活が、ちゃんとつながっているんだなと感じた瞬間でした。
それから数カ月後、ショートステイと同じ系列の特養に空きが出て、無事に入居されることになりました。
老健は、ずっと生活する場所ではありません。
だからこそ、その先の生活をどうつないでいくかが、とても大切になります。
「老健に入ったから安心」ではなく、そのあとどうするのかを、少しずつ考えていく必要があるのかもしれません。

