「行きたくない」が「行きたい」に変わった日|デイ利用につながった3つの体験談

介護エッセイ

デイサービスをすすめても、

「行きたくない」
「そんなところ行かへん」

そう言われてしまい、どうしたらいいのか悩むことがあります。

前回の記事では、
デイサービスに行きたがらない理由や関わり方についてお伝えしました。

👉デイサービスを嫌がるのはなぜ?初めての利用でよくある理由とやさしい関わり方


今回は、実際に「行きたくない」と言っていた方が、デイサービスの利用につながった体験についてお話しします。

関わり方ひとつで、
少しずつ気持ちが変わっていくこともあります。

「どう関わればいいのか分からない…」

そんな方のヒントになればうれしいです。

体験記①「友達がいるから行きたい」

認知症の症状が進んできたAさん。

ご家族の介護負担も増え、「日中だけでも介護から離れたい」と、デイサービスの利用について相談がありました。

まずは体験利用に行くことになりましたが、到着するなり、

「帰ります!」

と強く拒否。

職員がつきっきりで関わりましたが、

「帰らせて!!」

と混乱が続き、落ち着く様子はありませんでした。

結局、到着から2時間後、ご家族がお迎えに来られ、そのまま帰宅することに。

そのとき、ご家族は

「もう、デイの利用は無理だと思います…」

と話されていました。


それから3ヶ月後。

再び、ご家族から連絡がありました。

「○○デイサービスに、本人の友達が通っているらしくて。
自分から『行きたい』って言ってきたんです」

週1回から利用が始まり、気がつけば週5回通われるように。

知っている人がいることが、Aさんにとって大きな安心につながったようでした。

関わり方やタイミングによって、受け入れられることもあると感じた出来事でした。

体験記②「先生が言うなら…」

脊柱管狭窄症による足腰の痛みで、自宅にこもりがちになっていたBさん。

ご家族は、こたつを指さしながら、

「ぜんぜんここから動かないんです…」

と、ため息まじりに話されていました。

「このままだと、どんどん動けなくなると思うし、痛みも増えていくと思うんです。それに、人との関わりもないから、認知症になるんじゃないかと心配で…」

ご家族と一緒に、少しでも外に出て体を動かすことの大切さをお伝えしましたが、

ご本人は、

「ここがいい」

と、かたくなな様子でした。

そこで、主治医の先生に相談したところ、

「リハビリに行って、活動の機会を持った方がいい」

と、ご本人に直接話してくださいました。

すると、

「先生が言うなら…」

と、利用を受け入れることに。

脊柱管狭窄症の管理も含めて対応できる、デイケアの利用が決まりました。

医療職からの言葉が、ご本人の気持ちを動かすきっかけになることもあると感じた出来事でした。

体験記③「ちいちいぱっぱは嫌なんです」

90代の男性、Cさん。

長年、大手企業に勤務され、役職にも就かれていた方でした。

お部屋には、パソコンや複合機があり、たくさんの資料が積み上げられています。

これまでの仕事人生が、そのまま残っているような空間でした。

介護保険とは別に、自費のヘルパーを利用されており、食事の準備や買い物、入浴など、日常生活の支援はしっかり整っていました。

ただ、ひとつ気になることがありました。

それは、外に出る機会がほとんどないこと。

ヘルパーさんも、

「このままだと、体力や筋力がどんどん落ちてしまうのでは」

と心配されていました。

そんな中、ご本人はこう話されました。

「私はね。これまでずっと仕事をしてきたんです。
ほかの人と一緒に、ちいちいぱっぱは嫌なんです。
ここで、自分の好きなことをしていた方が幸せです」

その言葉には、これまで築いてきた人生や、プライドがにじんでいました。

そこで、一般的なデイサービスではなく、機能訓練型デイサービスを提案しました。

見学に行かれたCさんは、

「これは…ジムみたいですね」

と興味を示され、マシンでの機能訓練を体験されました。

「楽しいですね」

そう話される一方で、ご自身の筋力や体力の低下も感じられた様子でした。

そこから、機能訓練型デイサービスの利用がスタート。

身体を動かす習慣ができたことで、ご自宅での生活も継続できていました。

その方の価値観やこれまでの人生に合った選択をすることで、受け入れやすくなることもあると感じた出来事でした。

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